2012年1月1日日曜日

詩編第12篇

小山 文夫訳

1  指揮者によつて 第八の調べ ダビデの

2  助け給へ、主(ヤハウェ)よ
   敬虔な人(はスイード)は絶へてしまい
   まことに信仰者らは人(アダム)の子らの中から
   消えてしまつたから
3  彼らは人(イーシユ)とその友に虚偽を語り
   滑らかな唇、二心で語る
4  主(ヤハウェ)が凡ての滑らかな唇と
   大言壮語を語る舌を断ち滅ぼし給はむことを
5  彼らは語る、我らは弁舌で優つている
   誰が我らの主人か、と
6  貧しい者らが強奪され
   極貧の者らが呻いてゐる故に
   今こそ、私は立つと、主(ヤハウェ)は言ひ給ふ
   喘ぎ求める救ひの中に私は置かう
7  主(ヤハウェ)の言葉は純粋なことば
   土のるつぼの中で七度練り清められ、精錬された銀
8  主(ヤハウェ)よ、貴神よ、彼らを守り給へ
   この世代から我らを永遠に見守り給へ
9  周りには悪しき者らがのさばり
   人(アダム)の子らには卑しいことがもて囃されてゐるこの時

2011年2月28日月曜日

信州キリスト召団ホームページ

信州キリスト召団のホームページを開きました!!!

このブログでは聖書翻訳を公開してゐますが、ホームページでは日本文明の紹介などを徐々に充実させていく予定です。以下がアドレスです。

http://xaris.jimdo.com

2011年1月15日土曜日

詩編第11編

小山 文夫訳

  指揮者によつて ダビデの

1   私は主(ヤハウェ)に逃げ込む
   あなた方はどうして私の魂に言ふのか
   「鳥よ、自分の山に逃げて行け
2   見よ、悪しき者ら(レシャイーム)が闇の中で
   心の眞つ直ぐな者らを射止めやうと
   弓を張り、弦(つる)に矢を番(つが)へてゐる
3   土台柱が崩されてゐるといふのに
   義人に何ができると言ふのだ」と
4   主(ヤハウェ)はその聖なる宮に
   主(ヤハウェ)、その玉座は天にあり
   その眼はじつと見つめ
   その瞼(まぶた)は人の子らを試み探り給ふ
5   主(ヤハウェ)は義人を試み探り
   その魂は悪しき者(ラシャア)と暴虐を愛する者を憎み給ふ
6   悪しき者ら(レシヤイーム)の上に罠を
   火と硫黄を降らし給へ
   熱風こそが彼らの杯の分け前
7   義なる主(ヤハウェ)は義なることを愛し
   その御顔は真つ直ぐな者(ヤシャル)を見つめ給ふから

               2011年1月1日

2010年10月11日月曜日

ガラテヤ書第6章

小山文夫訳  

 1兄弟たちよ、もし人の罪に気づいたら、御霊の人であるあなた方は、柔和の御霊にあつてこのやうな人を取り戻し、あなた自身が誘われないやうに注意しなさい。2互ひに重荷を負ひ、さうしてキリストの律法を全うしなさい。3誰でも何者でもない自分を何者かと思ふなら、自分を欺いてゐる。4各自、自分の業を調べなさい。さうすれば、誇りは他人にあるのではなく、自らの内にのみに見いだせる。5 各自、己が荷を負ふからである。
 6御言葉を教へられてゐる人は、教へる人と全ての良いことは共有しなさい。7惑わされてはならない。神を侮ることはできない。人が蒔く物は、刈り取らなければならない。8自分の肉に蒔く者は、肉から刈り取り、御霊に蒔く者は、御霊から永遠の生命を刈り取る。
 9美(うるは)しいことをすることに気落ちしてはならない。倦み疲れることがなければ、秋(とき)が来て、我らは自ら刈り取ることになる。10だから、秋(とき)があるうちに、全ての人、特に信の家族に善をなさうではないか。11見よ、どれほど大きな字で私自ら書いたことか。12肉において虚勢を張りたがる者たちは、ただキリストの十字架の故に迫害されないやうに、あなた方に無理矢理割礼を受けさせやうとしてゐるのだ。13割礼を受けた者たちは、自ら律法を守らず、あなた方の肉において誇りたいために、あなた方に割礼を受けさせたがつてゐるのだ。14しかし、私には我らの主イエス・キリストの十字架の他に誇るべきことは断じてない。このことを通して、世は私に対して、私も世に対して十字架されたのである。15キリスト・イエスにあつては、割礼も無割礼もなく、新しく造られることである。16願はくはこの基準に従つて歩む人々と神のイスラエルの上に平安と憐れみがあらんことを。
 17追伸:私を煩わせないでほしい。私はこの体にイエスの焼き印を帯びてゐるのだから。
 18兄弟たちよ、願はくは我らの主イエス・キリストの恵みがあなた方の霊と共にあらんことを。アーメン。

ガラテヤ書第5章

小山文夫訳  

 1キリストが我らを自由にして下さつたその自由に堅く立ちなさい。何としても再び奴隷の軛に繋がれてはならない。
 2見よ、私パウロがあなた方に言ふ、あなた方はもし割礼を受けるならば、キリストはあなた方に無益になる。3三割礼を受ける全ての人にもう一度、証しする。彼は律法の全体を行ふ義務を負ふ。4律法によつて義とされたいと願ふ者は誰でもキリストから切断され、恵みから落ちたのだ。
 5我らは御霊により、信から、義の希望を待ち望んでゐる。6キリスト・イエスにあつては割礼も無割礼も効力を持たず、愛により働く信のみが効力を持つ。7あなた方は良く走つてきたのに、誰があなた方に真理を阻むやうにしたのか。8八このやうな勧誘はあなた方を召して下さつてゐる方から出たものでない。9少しのパン種が練られたパン粉全体を膨らませる。10あなた方は異なる思ひを抱かないと私は主にあつて確信してゐる。誰であれ、あなた方を掻き乱す者は裁きを受ける。11兄弟たちよ、私がもし今でも割礼を述べ伝へてゐたら、なぜ今でも迫害を受けるのか。もしさうしてゐれば、十字架の躓きも無くなつてゐたであろう。12願はくはあなた方を掻き乱す者たちが自ら去勢することを。
 13兄弟たちよ、あなた方は自由へと召されたのだ。ただその自由を肉のために使はず、愛により互ひに仕へ合ひなさい。14律法の全てはこの一言、『自分自身のやうにあなたの隣人を愛しなさい』で全うされてゐる。15互ひに噛みつき、喰らひ合へば、注意しなさい、互ひに消耗しないやうに。16私は言ふ、御霊にあつて歩みなさい。さうすれば、肉の欲を遂げることはない。17肉の思ひは霊に逆らひ、御霊は肉に逆らひ、これらは互ひに相反する。
 18御霊に導かれれば、律法の下にゐない。19さて、肉の行ひは明白である。すなはち、淫行、汚れ、放蕩、20偶像崇拝、魔術、敵意、争ひ、嫉妬、激怒、利己心、分裂、分派、21嫉み、酔酒、酔狂などのやうなもので、私が以前から語つたやうに今、もう一度言ふ、このやうな者たちは神の国を受け嗣ぐことはできない。
 22しかし、御霊の実は愛、喜び、平安、寛容、慈悲、健全、忠実、23柔和、節制である。かういつたものを禁止する法律はない。24キリスト・イエスに属する者たちは熱情と欲を肉と共に十字架につけたのである。25御霊に生きるといふなら、御霊と共に行進しやうではないか。26互ひに挑発し、互ひに妬み、見栄を張らないやうにしなさい。

ガラテヤ書第4章

小山文夫訳  

 1今、私は言ふ、跡継ぎはたとへ全財産の持ち主であつても、子供であるうちは全く僕(しもべ)と変はることはなく、2父の約束の時が来るまでは後見人や管理人のもとにある。3そのやうに、我らも子供であつた時、宇宙の要素に隷属してゐた。4しかし、秋(とき)が満ちて神はその子を遣はされた。御子は女より生まれ、律法のもとに生まれた。5それは律法のもとにある者たちを贖ふためであり、我らを養子とするためであつた。6あなた方は子供であり、神はその御子の御霊を我らの心に送つて下さり、『アバ、父よ』と叫ばせて下さる。7だから、あなたはもはや僕ではなく、子である。子ならばキリストにより神の世継ぎである。8しかし、実にあなた方は神を知らなかつた時、もともと神ではない神々の奴隷であつた。9しかし、今は神を知り、むしろ神に知られたのに、どうして再び弱く、貧弱な諸要素に戻つて、再び新たにその奴隷になりたいのか。10あなた方は日、月、季節、年を守つてゐる。11あなた方のために働いてきたことが、いやはや、無駄になつてしまうのかと、私は懼れる。12兄弟よ、私はあなた方に願ふ、私のやうになりなさい、私もあなた方のやうになつたのだから。あなた方は私に何ら害を与へたことはなかつた。13私が以前、あなた方に福音を伝へたのは、肉体の弱い時であつたことをあなた方は知つてゐる。14私の肉体のわが試みとなるものを、あなた方は蔑(さげす)むことも忌み嫌ふこともなく、私をキリスト、神の天使のやうに受け入れてくれた。15あなた方のその時の祝福(マカリスモス)は何であつたのか。あなた方のために証しするが、できるものなら、自分の目を抉(えぐ)り出してまで私に与へやうとしたことを。16あなた方に真実を告げるからあなた方の敵になつたのか。17彼らはあなた方に対して熱心であつても、間違つたものであり、あなた方を閉め出し、彼らに対して熱心にさせたがつている。18しかし、いつも良いことで熱心なのは良いことであるが、それは私があなた方と共に居たときだけのことではない。19わが子らよ、私はあなた方の中にキリストが形作(かたちつく)られるまで再び、産みの苦しみをする。20今、あなた方の所に行つて、わが声を変へることを願ふ。あなた方のことで私は途方に暮れてゐるからだ。21律法の下に居たいと願ふ者たちよ、私に告げよ、あなた方は律法に耳を傾けないのか。22かう書いてある、
 『アブラハムに二人の息子があり、一人は女奴隷の子、もう一人は自主の子である』と。23しかし、女奴隷の子は肉(サルクス)によつて生まれたのであり、自主の子は約束による。24ここに比喩がある。彼らは二つの契約である。一つはシナイ山からの奴隷として生まれたハガルである。25ハガル・シナイ山はアラビアにあり、今のエルサレムに当たり、その子らと共に奴隷である。26しかし、上なるエルサレムは自主であり、我らみんなの母である。27かう書いてある、
 『喜べ、石女(うまずめ)で子を産まない者よ、
  産みの苦しみをしない者よ、
  独り暮らしの女に子が多く
  夫のある者の子よりも多い』と。(イザヤ書五十四・一)
28今や、兄弟たちよ、あなた方はイサクのやうに約束の子である。29しかし、まさしく、肉(サルクス)にある者が霊(プニユーマ)にある者を迫害したやうに、今もさうだ。30しかし、聖書は何と言つてゐるのか。『奴隷の女とその子を追ひ出せ、奴隷の子は自主の子と共に跡を継いではならない』と。31このやうに兄弟たちよ、我らは奴隷の女の子ではなく、自主の女の子である。

ガラテヤ書第3章

小山文夫訳
1ああ、愚かなガラテヤ人よ。誰があなた方を誑(そその)かしたのか。十字架に懸けられたままのイエス・キリストがあなた方の面前に示されたのではなかつたのか。2ひとつこのことをあなた方に問ひたい、「あなた方が御霊を受けたのは、律法の行ひによるのか、それとも信仰を聞いたからなのか」と。3あなた方はそんなにも愚かなのか。御霊で始め、今、肉で全うするのか。4あれほど多くの経験をしたことは無駄だつたのか。本当に無駄だつたとしたら、、、。5だから、あなた方に御霊を下さり、あなた方の中で力ある業をなさつたお方は、律法の行ひによつてなのか、それとも信仰を聞いたからなのか。6まさしくアブラハムのやうに「神を信じ、それが彼の義とされた」のである。7だから知れ、信による者がアブラハムの子孫なのだと。8聖書は「神は信により異邦人を義とする」と先見して、前もつてアブラハムに福音を伝へた、「全ての国民は汝にあつて祝福される」と。9だから信による者たちは信のアブラハムと共に祝福される。10だが、律法の行ひによる者は誰でも呪ひの下にある。かう書いてある通りである、「律法の書になせと書かれてある全てのことに留まらない者は呪われる」と。11今、律法によつては誰一人として神の前に義とされないといふことは、明らかである。「義人は信によつて生きる」からである。12しかし、律法は信から出てゐない。むしろ「律法を行ふ人は、律法によつて生きる」のである。13キリストは我らのために呪ひとなつて、律法の呪ひから我らを贖つてくださつた。「木に懸けられる者は皆呪われてゐる」と書かれてある通りである。14キリスト・イエスにあるアブラハムの祝福が異邦人に及ぶためであり、我らが信にあつて御霊の約束を受けるためである。15兄弟たちよ、人間的な言ひ方をするが、人間の契約ですら発効したら、誰もこれを無効にしたり、付け加へたりしない。16諸約束はアブラハムとその子孫に語られた。多くの者にではなく、一人の者「汝の子孫に」として、それはキリストである。17だから、私はかう言ふ、「神によつて以前、定められた契約は、その後四百三十年を経て作られた律法によつて破棄されたり、その約束を無効にするやうなことはない」といふことである。18もし相続が律法によるものなら、それはもはや約束ではない。しかし、神はアブラハムに約束によつて恵みを与へられた。19それでは律法は何のためか。それは罪のために加へられたものであつて、約束された子孫が来るまで、御使ひたちを通して中保者の手によつて定められたのである。20中保者は、一人だけの者ではないが、神は唯一である。21それでは律法は神の約束に反するのか。断じてさうではない。もし律法が生命を与へることができるやうになつてゐたならば、誠に義は律法によつてゐたであろう。22しかし、聖書は全てのものを罪の下に閉じ込めたのである。それは約束がイエス・キリストの信によつて信じる者に与へられるためである。
 23信が来る以前、我らは律法の下に守られ、信が顕れるまで閉じ込められてゐたのである。24だから律法は我らをキリストへと導く養育係となつた。25しかし、信が来たからには我らはもはや養育係の下にゐない。26あなた方はキリスト・イエスにある信により、皆神の子である。27キリストへのバプテスマを受けた者は誰でもキリストを着たのだ。28もはやユダヤ人もギリシャ人もなく、奴隷も自主もなく、男も女もない。あなた方は皆キリスト・イエスにあつて一つである。29キリストのものならば、あなた方はアブラハムの子孫であり、約束による相続人である。